杜の日々

好きな本や日常、創作について

向田邦子とよしながふみと仙台

長年、私はよしながふみ先生の作品を愛読している。

そして読んできた作品の中で結構な割合で「仙台」という単語を目にする。

西洋骨董洋菓子店

 

『フラワー·オブ·ライフ』

『1限めはやる気の民法

の作品の台詞で登場する。

また、『きのう何食べた?』では、主人公のシロとケンジが偶然かもしれないが仙台と同じ旧暦(8月)に七夕まつりが開催される阿佐ヶ谷に住んでいるのだ。

何故よしなが先生は「仙台」という単語を用いるのか長年の謎であった。

しかし最近、糸井重里さんとのインタビューの一文を読みなんとなく理由がわかった。

インタビューにてよしなが先生は

たとえば山田太一さんの『日本の面影』は
10歳ぐらいのときに初めて見たんですけど、
夢中になっちゃって。
ビデオもない時代でしたから、
再放送をもう1回食い入るように見て。
そしてついに家にビデオが来たときに、
何度目かの再放送を録るみたいな感じで
また、見たりとか。
そして向田邦子さんの、
お正月とか年末にやってたシリーズとかも。
現代もので家族を描くときに、
たぶんそのお二人の影響があると思います。

と話している。

「父の詫び状」で有名な作家·向田邦子先生。

タイトルである「父の詫び状」は、元々はドラマ脚本ではなく、彼女が仙台で暮らしていた時代の幼少期の父との思い出を綴ったエッセイである。

よしなが先生は向田先生へのリスペクトとして仙台を用いているのではないかというのが個人的見解になるが、もし具体的な理由を知っている方がいれば教え頂きたい。

向田先生が仙台出身という理由でも十分納得出来るが、よしなが先生が個人的に仙台が好きだったなら嬉しいと思う。

もしいつか、よしなが先生が仙台を舞台にしたマンガを描いたなら是非読みたい。